チームメイト

T.E.A.M.M.A.T.E.
基本解説
  • 【発売元】
    ロジックス・エンタープライゼス(米国)
    Logix Enterprises
  • 【発売日】
    1978年
  • ※米国の専門誌「クリエイティブ・コンピューティング・
    マガジン」1978年11&12月号に写真付きで記事掲載あり
    ※日本貿易振興会が1979年3月に発行した
    「マーケティング・シリーズ(927)米国の玩具市場調査」の「78年登場のエレクトロニクス玩具」の項に記述あり
  • 【表示方式】
    LED(発光ダイオード)

 パッケージに「ELECTRONIC COMPUTER」、説明書に「GAME COMPUTER」と書かれているとおり、コンピュータをイメージして作られたLEDゲーム機。『T.E.A.M.M.A.T.E.』という名前は、「Total Electronic Advanced Microprocessing Maneuvers And Tactics Equipment」の各単語の頭文字に対応している。

 表示部にあたるのは、2本脚で上部にそびえ立つ縦4個×横4個のLEDと、キーボードのすぐ奥にある2ケタのデジタル数字。前者のLEDはディスプレイの役割を果たし、そこにオーバーレイを載せて三目並べやピンポンゲームなどが遊べる。さらに、あらかじめ数値などを特定の手順で入力しておくと、LEDを好きな配置でアニメーションさせたり、キー入力に応じて複数のLEDを点灯させたりすることが可能。取扱説明書には、それらの機能を利用して「電子お絵かきボード」や「カクテルのレシピ表示」「天気予報」などを実行するための手順が多数掲載されている。本格的なプログラミングができたわけではないが、50ドル以下で手に入る『チームメイト』を通じて、10倍以上の価格のマイクロコンピュータ(マイコン)の雰囲気を初めて味わった人もいたに違いない。

 なお、同系統のLEDゲーム機として、1980年にエンテックス社が『マック(MAC)』という機種を日米で発売している。

キーボード部分には、P1~P4の4個のファンクションキーと、0~Fの16個のキーを用意。プログラムを選択するときには、P3キー(リセットキー)→「8E(プログラム番号の16進数)」→P1キー(決定キー)といった順に入力する。

2本脚でそびえ立つボードに設置された縦4個×横4個のLED。その右側にあるスピーカーからはビープ音が鳴る。

プログラムを動作させるときは、対応するオーバーレイをLEDのエリアに載せる。オーバーレイは、スライドA~Sと名付けられた19枚と白紙の6枚が付属。

キーボードの奥側には、スモークガラスのような赤いプラスチックのフタがはめ込まれている。

プラスチックのフタを外すと、単1電池4本を入れる電池ボックスと、むき出しの基板が出現。

基板をアップにした写真。左にあるのが「MOSTEK 3870」というLSIで、中央下にはデジタル数字の表示部が設置されている。

プラスチックのフタの上からは、2ケタのデジタル数字がこのように見える。右側の「d」は、「D」のキーを押したときに表示されるアルファベットの小文字。

オーバーレイのほかに「NOW IN PLAY」のカードも付属。このカードには、プログラムの起動手順と操作方法が簡潔に記されている。

「NOW IN PLAY」のカードは、本体右上のくぼみにセット可能。こうしておけば、取扱説明書を開かなくてもプログラムの使いかたがわかるというわけだ。

現在使っていないオーバーレイなどは、キーボードの左右のくぼみに置いておくことができる。

AB判で48ページの取扱説明書は、『チームメイト』の使いかたを理解するのに欠かせないアイテム。コンピュータの仕組みや歴史を記した「コンピュータ解剖学」という読み物も収録されている。

【CGWM TRIVIA①】
『チームメイト』では何ができる?~基本プログラム編

 通常の電子ゲーム機とは違うコンピュータっぽさを売りにしている『チームメイト』だが、具体的にどのようなことができるのか? パッケージには「OVER 25 EXCITING AND ORIGINAL GAMES!」と書かれているが、25種類のプログラムが内蔵されているわけではない。実際には、7種類の基本プログラムが収録されており、残りは基本プログラムにデータを追加したりオーバーレイや遊びかたを変えたりすることで別のプログラム扱いにしているのだ。まずは、7種類の基本プログラムの内容を見ていこう。

(1) エレクトロニック・ドゥードゥル・パッド(Electronic Doodle Pad)……電子お絵かきボード。4×4個のLEDを使った落書き(ドゥードゥル)を何枚か自作し、それらを順番に表示してアニメーションさせる。実演デモも収録されている。

(2) バトルフィールド(Battlefield)……2人用。数字当てゲームにSFテイストの設定を加えたもの。はじめに相手が0~Fの16ヵ所の中からいくつかを選ぶ。選んだ場所に宇宙船が隠されたということになり、プレイヤーは0~Fを組み合わせた数値の入力を繰り返し、音とスコアをヒントに宇宙船の隠された場所を探し出す。

(3) ダイス(Dice)……P1ボタンを押してから離すと、1~6のいずれかの数字がランダムでふたつ表示される。『チームメイト』をサイコロ代わりに利用するためのモード。

(4) チック・タック・トー(Tic-Tac-Toe)……2人用。4×4個のLEDのうち、左上の3×3個を使って遊ぶ三目並べ(まるばつゲーム)。1人目のプレイヤーの入力はLEDが点灯を続け、2人目のプレイヤーの入力はLEDが点滅するので、それによって両者の点灯を見分けることが可能。

(5) ミュージック(Music)……「おおスザンナ」のメロディが繰り返し流れる。

(6) ライト・ユア・オウン・ミュージック(Write Your Own Music)……メロディを2ケタの16進数で入力していき、それを演奏するモード。たとえば、「21」は音の長さが「2(四分音符)」で音が「1(ド)」、「38」は音の長さが「3(二分音符)」で音が「8(休符)」であることを表す。左のケタを「9」~「F」にすると半音の入力もでき、たとえば「A1」は音の長さが「A(四分音符)」で音が「1(ド#)」であることを表す。繰り返されるメロディは、サブルーチンにして入力を簡略化することも可能。

(7) ブリープ(Bleep)……左右に移動するLEDの光を、左端の列と右端の列で打ち合うピンポンゲーム。向かってきた光の位置に対応するキー(左端の列なら1、4、7、0のキーのいずれか)をすばやく押せば、光を跳ね返せる。1人でも2人でも遊ぶことができ、先に9点取ったほうが勝ち。

(3)の「ダイス」と(5)の「ミュージック」以外にはオーバーレイが用意されている。

【CGWM TRIVIA②】
『チームメイト』では何ができる?~基本プログラム・アレンジ編

 つづいて、基本プログラムにデータを追加したりオーバーレイや遊びかたを変えたりすることで別のプログラム扱いになっているものを一気に紹介する。それぞれの解説文の冒頭には、ベースである基本プログラムの番号を【BASE:6】という形で記しておいた(数字はCGWM TRIVIA①に対応)。【BASE:1】である(8)~(18)および(20)は、オーバーレイの文字が異なるだけで内容はほぼ同じだ。どのような手順で基本プログラムにデータを追加するかについては、CGWM TRIVIA③を参照。

(8) トゥ・キャッチ・ア・シーフ(To Catch A Thief)……【BASE:1】 はじめに犯罪者の特徴(太っている、30歳以上、毛深い、長身など。複数を選択可能)と顔の対応を入力しておく。すると、犯罪者の特徴を選んだときに、どの顔なのかを教えてくれる。

(9) ザ・コンピューター・バーテンダー(The Computer Bartender)……【BASE:1】 はじめにカクテルの名前と、そのカクテルのレシピの対応(マティーニの場合はジンとドライベルモット)を説明書のとおりに入力しておく。すると、カクテル名を選んだときにレシピを教えてくれる。

(10) フロム・カラーズ・トゥ・ロジック(From Colors To Logic)……【BASE:1】 はじめに複数の色と、それらの色を混ぜ合わせると何色になるか(黄色と赤の場合はオレンジ)を説明書のとおりに入力しておく。すると、複数の色を選んだときに、それらを混ぜ合わせた色を教えてくれる。

(11) アン・エレメンタリー・カリキュレーター(An Elementary Calculator)……【BASE:1】 はじめに、オーバーレイに書かれた計算式と答えの対応を説明書のとおりに入力しておく。すると、計算式を選んだときに答えを教えてくれる。

(12) ミュージカル・コーズ(Musical Chords)……【BASE:1】 はじめに和音の構成音と、その和音のコード名の対応(C【ド】、E【ミ】、G【ソ】の場合はCメジャー)を説明書のとおりに入力しておく。すると、和音の構成音を選んだときにコード名を教えてくれる。

(13) ザ・コンピュータ・ディテクティブ(The Computer Detective)……【BASE:1】 説明書に書かれた手掛かりの文章をヒントに、スミス氏、ジョーンズ氏、デイビス氏という3人の男性の職業が町長、薬剤師、医師のどれなのかを当てる。はじめに「スミス氏と医師はよく雑談しています」といった手掛かりの文章から読み取れる3人の職業の可能性を、説明書のとおりに入力しておく。すると、特定の人物を選んだときにその人の職業を教えてくれる。

(14) ドクター・ロジックス(Doctor Logix)……【BASE:1】 はじめに症状と病名の対応(咳と発熱の場合は気管支炎)を説明書のとおりに入力しておく。すると、症状を選んだときに病名を教えてくれる。

(15) フロム・ラパス・トゥ・ブエノスアイレス(From La Paz To Buenos Aires)……【BASE:1】 はじめに、ボリビアのラパスからアルゼンチンのブエノスアイレスへの最短ルート上にある都市を説明書のとおりに入力しておく。すると、ルート上にある都市を正しく選んだときにブエノスアイレスのLEDが点灯する。

(16) ア・トランスレイティング・マシン(A Translating Machine)……【BASE:1】 はじめに、オーバーレイに書かれた英単語と、それと同じ意味のフランス語の対応を説明書のとおりに入力しておく。すると、英単語およびそれを組み合わせた英文を選んだときに同じ意味のフランス語を教えてくれる。

(17) ア・ナリッジ・テスト(A Knowledge Test)……【BASE:1】 はじめに2択問題を4問用意し、問題ごとに正解と不正解の選択肢を説明書のとおりに並べる。そのあと、各問題の正解・不正解の組み合わせと評価の対応を説明書のとおりに入力しておく。すると、4問の2択問題の選択肢を選んだときに評価が表示される。

(18) ア・ナンバーズ・ゲーム(A Numbers Game)……【BASE:1】 はじめに、ふたつの数字の組み合わせと得点の対応(1と5の場合は5点)を説明書のとおりに入力しておく。すると、ふたつの数字を選んだときに得点が表示される。

(19) ホイール・オブ・フォーチュン(Wheel Of Fortune)……【BASE:6】 LEDの光によるルーレットを作成する。光のルートの入力例は説明書に2種類書かれているが、好きなルートにアレンジすることも可能。入力完了後にP1を押すと、音を鳴らしながら光が移動を始め、P3を押したときに止まる。

(20) ア・コンピュータ・ウェザー・フォーキャスト(A Computer Weather Forecast)……【BASE:1】 はじめに、気圧・風向きの組み合わせと天気の対応(高気圧で風向きが北西の場合は晴れ)を説明書のとおりに入力しておく。すると、気圧と風向きを選んだときに天気を予測してくれる。

(21) ミニ・チェッカーズ(Mini Checkers)……【BASE:4】 2人用。古くからある「チェッカー」というボードゲームのアレンジ版。ひとりが左端の列、もうひとりが右端の列に駒を4つ並べている状態でゲーム開始。駒は斜めにのみ移動可能で、相手の駒を飛び越えるとその駒を取ることができる。最終的に相手側の端の列に多くの駒を移動させたほうが勝ち。

(22) ニム(Nim)……【BASE:4】 2人用。もとになっているのは古くからある同名の石取りゲーム。4×4個のLEDを1個、5個、10個の3つのエリアに分け、自分のターンになったら、いずれかのエリアから好きな個数のLEDを消す。これを繰り返し、最後の1個のLEDを消した人が負け。

(8)の「トゥ・キャッチ・ア・シーフ」から(22)の「ニム」までのすべてのプログラムにオーバーレイが用意されている。

(8)の「トゥ・キャッチ・ア・シーフ」のオーバーレイは、左半分が犯罪者の8種類の特徴で、右半分は顔イラストという構成。

【CGWM TRIVIA③】
データはどうやって入力する?

 『チームメイト』でどのようにデータを入力するのかを、(9)の「ザ・コンピューター・バーテンダー」を例に解説しよう。「ザ・コンピューター・バーテンダー」のベースになる基本プログラムは(1)の「エレクトロニック・ドゥードゥル・パッド」のもので、プログラム番号は「04」。このプログラムは、0~Fの中から好きな組み合わせをグループにして、そのグループを一時的に保存する機能を持つ。

 まずは、「04」のプログラムを使うことを、以下の入力で『チームメイト』に伝える。なお、「P1」~「P4」は同名のファンクションキーを押すことを、それ以外の「04」などは記載の数字を入力することを表す。ファンクションキーの役割は、P1が決定、P2がデータ保存、P3がリセット。

P3-04-P1-P2

 つづいて、データを入力していく。「ザ・コンピューター・バーテンダー」では、オーバーレイに書かれたカクテルの名前と、そのカクテルのレシピの対応を入力するのだが、正しい対応は取扱説明書に記されているので調べる必要はない。1グループ目は、マティーニ(キーボードの1の位置)をジン(3の位置)とドライベルモット(Aの位置)に対応させるため、以下のように入力する。

1-3-A-P1-P2

 2グループ目は、サイドカー(キーボードの4の位置)をブランデー(6の位置)、コアントロー(Bの位置)、レモンジュース(9の位置)に対応させるため、以下のように入力する。

4-6-B-9-P1-P2

 同じように他のカクテルについても以下のように入力していき、すべての入力が終わったら「P2」の直後に「P1」を押す。

7-3-C-A-P1-P2
0-6-C-P1-P2
2-3-C-P1-P2
5-6-E-P1-P2
8-6-A-C-P1-P2
D-3-F-P1-P2-P1


 これで準備は完了。「ザ・コンピューター・バーテンダー」は、カクテル名を選ぶと、そのレシピのLEDを点灯させてくれるようになった。実際にカクテル名を選ぶときは、最初に以下の入力でプログラム番号「0A」を指定し、閲覧モードに切り替えることを宣言する。

P3-0A-P1

 そのあとは、マティーニ(キーボードの1の位置)のレシピを知りたいなら、以下のように入力。

1-P4

 つづけて、マンハッタン(キーボードの0の位置)のレシピを知りたいなら、以下のように入力。最初の「P1」は、連続でデータを閲覧するときに必要となる。

P1-0-P4

 以上が「ザ・コンピューター・バーテンダー」のデータを入力して使用するまでの具体的な流れになる。白紙のオーバーレイに別の文字を書いてデータの組み合わせを変更すれば、自分なりの『チームメイト』の使いかたを作ることも可能だ。さらに、「ザ・コンピューター・バーテンダー」でベースにしたのは「04」の基本プログラムだが、それ以外のいくつかの基本プログラムに対しても独自のアレンジを考える余地は残されている。本物のコンピュータには遠く及ばないものの、このように何かを作る面白さを体験できたのは、『チームメイト』が1978年の他の電子ゲーム機とは一線を画していた部分と言えるだろう。

 なお、取扱説明書の最後では、ユーザーが考えた『チームメイト』の使いかたを募集している。優秀作は取扱説明書の改訂時に掲載予定と書かれているが、はたして改訂版の取扱説明書が実際に作られたのかどうかは確認できていない。

「ザ・コンピューター・バーテンダー」のオーバーレイ。左半分がカクテルの名前で、右半分がレシピに使う材料の名前だ。

白紙のオーバーレイが6枚付属している。これらをどのように使うかはユーザー次第。

TOP