LSIポータブルゲーム・シリーズ【LEDタイプ】 (9) 

LSIベースボール

LSI Baseball

  • 【発売元】
    バンダイ
    Bandai
  • 【発売日】
    1979年6月末
  • 【価格】
    5,200円
    (1980年夏頃から5,980円に値上げ)

 1978年7月に発売された『ベースボール』の改良版。チェンジアップ、盗塁、ダブルプレイ、タッチアップという4つの要素が追加され、カウント表示部やサウンド面なども進化を遂げている。『ベースボール』よりも完成度が高まり、電子野球ゲームのジャンルにおけるロングセラー商品となった。

左が『ベースボール』、右が『LSIベースボール』。ボタンの数や位置など、外見にも細かな調整が施されている。

新要素を中心としたセールスポイントの数々は、パッケージにしっかりと記載。

ビッチャー側の右端に追加されたチェンジアップキー。このキーを押している間は、投げた球のスピードが速くなる。

バッター側の右端に追加されたスチールキー。ランナーが1塁にいるとき、投球がホームベース上を通過する約0.25秒間にスチールキーを押せば盗塁成功。

フィールドにはファールのLEDが追加された。バッティング可能範囲でもっとも早く(または遅く)バッターキーを押したときに、打撃結果がファールとなる。

比較用に載せておく、初代『ベースボール』のバックスクリーン付近。カウントはすべて赤いLEDで表示される。

『LSIベースボール』のバックスクリーン付近。S(ストライク)、B(ボール)、O(アウト)のカウント表示が実際の野球場のようにカラフルになった。

左が『ベースボール』、右が『LSIベースボール』のスコアボードのパーツ。微妙に形状が違うため、『ベースボール』のパーツを『LSIベースボール』の本体に流用はできない(その逆は可能)。

電源として9ボルト角形電池を使用。ちなみに『ベースボール』は単3電池3本だったので、これも変更点のひとつ。

【本体のバリエーション】
『ベースボール』という名の『LSIベースボール』

 『LSIベースボール』は本体の各所に「LSI BASEBALL」と記されているが、その表記が「BASEBALL」だけになっているバージョンも存在する(ここではそのバージョンをLSI非表記版と呼ぶ)。さらにLEDの表示具合も異なっており、LSI非表記版がどのような経緯で作られたのか謎は深まる。『サブマリン』などは同じタイトルのままでNEWバージョンが登場したが、じつは『ベースボール』も『LSIベースボール』に改名されることなくNEWバージョンになる予定だったのではないか、そしてその名残がLSI非表記版なのではないか、などと妄想してしまう。

パッと見ただけだと、どちらも同じ『LSIベースボール』のように思ってしまうが……。

下側が本来の『LSIベースボール』で、上側がLSI非表記版。このフタは初代『ベースボール』のものとは形状が異なるので、『LSIベースボール』型の本体用に作られたフタであることは間違いない。

本来の『LSIベースボール』の本体裏側には、このようなシールが貼られている。機種名の表記は「LSI BASEBALL」。

一方、LSI非表記版の本体裏のシールには、「LSI BASEBALL」ではなく「BASEBALL」とだけ記されている。

ボタンの表記にも違いがある。下側は本来の『LSIベースボール』のもので日本語表記。それに対して上側がLSI非表記版のボタンで、英語に変更されている。

本来の『LSIベースボール』のLED表示は、アウトカウントの表示と同じくらい丸い円になっている。これは初代『ベースボール』のときから変わっていない。

ところがLSI非表記版では、LEDがドットのように小さく表示される。この表示のしかたは、『ゴルフコンペ(初期バージョン)』の後期版とよく似ている。

【パッケージのバリエーション】
カタカナが「ベースボール」だけのパッケージ

 基本的に上記のLSI非表記版が収納されているパッケージは、本来の『LSIベースボール』のパッケージとは下の写真のような点が異なる。

左側は本来の『LSIベースボール』のパッケージで、右側はそれとは少々違うパッケージ。右上部分に「Newタイプ!!」のシールが貼られていないということ以外にも相違点がある。

箱のフタの部分を比較。どこが違うか、おわかりになるだろうか。

ひとつ前の写真を拡大。下側が本来の『LSIベースボール』のパッケージで、カタカナで「LSIベースボール」と記されている。それに対して上側のパッケージは、カタカナが「ベースボール」だけになっている。

パッケージに描かれたイラストにも注目。こちらは本来の『LSIベースボール』のもの。

カタカナが「ベースボール」だけのパッケージのイラストは、文字が大きすぎてバランスがいまひとつ。これが修正されて本来の『LSIベースボール』のイラストになったのだろう。

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