Mattel
米国で1978年に発売された同名機種の輸入版。最初期の電子野球ゲーム機のひとつで、同時期にリリースされたバンダイ版『ベースボール』とは異なるゲームシステムを持つ。最大の違いは、打撃の結果が走塁との組み合わせで決まる点。打ったあとのバッターをどのように走らせるかによって、本来より先の塁へ進めたりアウトになったりと展開が変化する。バンダイ版よりも複雑な内容を実現しているが、そのぶん取扱説明書をしっかり読まないと遊びかたを把握しづらい。参考までに、この機種の特殊な仕様を以下に挙げておく。
・「HIT」ボタンを押して投球を打ち返すと、バンダイ版のようにLEDが順番に点滅していくわけではなく、いずれかの野手の位置でいきなり点灯する。このときにチカチカと点滅していたらフライをキャッチされたということでアウト、点灯したままならヒットの可能性がある。なお、アウトの場合とヒットの可能性がある場合では打球音が異なる。
・ヒットの可能性がある場合の打球音は、「ピッ」だとシングルヒット、「ピッピッ」だと2塁打、「ピッピッピッ」だと3塁打性の当たりを意味する。
・打球音を聞いたら、すかさず「RUN」ボタンを押しつづけて、パッターを該当の塁まで走らせる。走る速度は3種類あり、速いときは本来よりも先の塁に到達できるが、遅いときはひとつ手前の塁で止まらないとアウトになってしまう。バッターの走り出したときのスピードを見て、どの塁まで進ませるかを瞬時に判断する必要がある。
・3塁打性の当たりのときにすばやく「RUN」ボタンを押しはじめ、なおかつバッターの走る速度が速ければ、ランニングホームランになる。
電源スイッチを「1」に合わせるとマイナー、「2」に合わせるとメジャーのモードでゲーム開始。モードによって変わるのはボールスピードで、メジャーのモードにした場合、ただでさえ速いストレートがさらに高速に。
「PITCH」ボタンを押すと、1.5~2.5秒後にCPUのピッチャーがボールを投げてくる。時間に幅があるのは、投球までのタイミングが毎回同じにならないようにするため。写真は、球種がストレートのときの軌道。
ピッチャーの投げる球種は、ストレート、カーブ、チェンジアップの中からランダムで決定。カーブは写真のように軌道が少し横に膨らみ、斜め方向からホームベースに向かってくる。
ホームランを打った場合は、フィールド内のLEDが高速で順番に点灯するのが4回くり返される。点灯が終わったら、「RUN」ボタンを押しつづけてダイヤモンドを一周すればOK。
スコアボードの表示は、左からイニング、アウト、ボール、ストライク。アウトの欄の「0」に付いているピリオドは、ビジター側の攻撃であることを示す。ホーム側の攻撃のときは、ストライクの欄の数字にピリオドが付く。
「SCORE」ボタンを押すと、ビジター側とホーム側のスコアが表示される。バンダイ版と違って、スコアはそのイニングかぎりのものではなく、次のイニングに引き継がれていく。なお、このゲーム機は5イニング制となっている。