Bandai
1970年代終盤以降に各社から多数発売された電子野球ゲームの源となった機種。ピッチャー側は4種類の球種を投げ分け、バッター側は投球がホームベース上を通過するタイミングを狙ってバッターキーを押す。打撃の結果は、フィールド上を順番に点灯していくLEDの光が止まった場所によって決定。ランナーやアウトカウントなどが自動表示されたりコンピュータにピッチャーを任せられたりするのは、当時の人気玩具である野球盤にはなかった要素で、電子ゲーム機の魅力を感じさせるものだった。
なお、この機種は翌1979年に機能を追加して『LSIベースボール』という名前で再リリースされている。『ベースボール』と『LSIベースボール』は混同されがちだが、LSIポータブルゲーム・シリーズの最初に発売されたのは『ベースボール』であるということを改めて記載しておく。
LEDの赤い光が止まった場所に応じて、自動的にランナーが進塁したりアウトカウントが増えたりする。野球盤では手作業でやっていたことをコンピュータが処理してくれるのは画期的だった。
ピッチャー側に用意されている4つの投球ボタン。左から順に、カーブ、低速ストレート、高速ストレート、シュート。なお、カーブとシュートは、3分の1の確率でストライクではなくボールになる。
ピッチャー側の操作パネルにはフタが付いているが、バッター側から見るとこの程度の高さ。そのままボタンを押した場合、バッターに指の動きを見られてしまう恐れがある。
そこで使うのが付属のスコアボードのパーツ。これを本体に差し込めば、ピッチャー側の指の部分を覆い隠してくれるのだ。
バッター側のボタン。ボールがホームベース上を通過する約0.5秒間(高速ストレートの場合は約0.25秒間)にバッターキーを押せば、次の写真のようなバッティング結果の判定に進む。
説明書に記載されたバッティングの仕組み。ジャストタイミングで打ったときにホームランになり、それより早いタイミングだとレフト方向に、遅いタイミングだとライト方向に打球が飛ぶように大半の結果が振り分けられている。