LSIポータブルゲーム・シリーズ【LEDタイプ】 (5) 

チャンピオンレーサー

Champion Racer

  • 【発売元】
    バンダイ
    Bandai
  • 【発売日】
    1979年4月20日
  • 【価格】
    3,980円

 LSIポータブルゲーム・シリーズをさらに普及させるべく、前年発売のシリーズ3作よりも約500円安い戦略価格で登場したレースゲーム。マテル社の『オートレース』を参考に作られたと思われるが、各所に巧みなアレンジが施されている。もっとも目を引く違いは、自車がクルマの形で表現されていること。また、『オートレース』が画面上部へ4回走り抜けるまでの時間を競う内容だったのに対して、『チャンピオンレーサー』は規定時間(初期値は100秒)内にどれだけ走行距離を伸ばせるかに挑むゲームとなっている。5段階のスピードコントローラーによって自車の位置を前後に移動させられるのも、『オートレース』にはなかった要素。とはいえ好成績を狙うには、やはり画面上方での高速走行をいかに継続できるかが鍵を握る。

それまでのLED表示の電子ゲーム機は発光ダイオードがドットや球体のように見えていたが、『チャンピオンレーサー』ではクルマ型の穴が光る構造になっている。

写真だとわかりにくいが、右側のひときわ明るく光っているほうがプレイヤーのクルマだ。

ゲーム開始時は、プレイヤーのクルマが右端のピットにいる。ピットにいる間は安全だが、走行距離がカウントされない。また、走行車線で敵車に衝突すると、ピットに戻されたうえでプレイ時間が2秒縮まってしまう。

【本体のバリエーション】
英語表記に変更された本体

 『チャンピオンレーサー』のパッケージに描かれたイラストでは、ゲーム画面内の「スコア」「スタート」「スピード」という文字はカタカナ表記。しかし、実際の本体においては、カタカナ表記になっているのは早い時期に製造されたバージョンだけで、以降の製造分では英語表記に変更されている。

パッケージに描かれているゲーム画面のイラスト。「スコア」「スタート」「スピード」の文字は、いずれもカタカナだ。

早い時期に製造されたバージョンの本体。表記はパッケージのイラストと変わらない。

1979年のある時期以降に製造された本体では「SCORE」「START」「SPEED」という英語表記に変更されている。

【パッケージのバリエーション①】
色味が変更されたパッケージ

 『チャンピオンレーサー』の初期に製造されたパッケージは上半分がグレーだったが、1979年のある時期以降に製造されたパッケージでは黒に近い色に変更されている。ただし、色の変更時に調整ミスも出てしまったようで……(2枚目と3枚目の写真を参照)。

左側が初期に製造されたパッケージ、右側が変更されたあとのパッケージ。色味だけでなく、黒で塗られた面積もグレーのときとは変化している。

初期に製造されたパッケージの左上部分。「006P乾電池1本付」の文字がくっきりと見える。

黒に近い色に変更されたパッケージの左上部分。「006P乾電池1本付」は白抜き文字のままで良かったはずだが、黒文字にしたことでほぼ読めなくなってしまった。

【パッケージのバリエーション②】
ロゴが変更されたパッケージ

 『チャンピオンレーサー』のパッケージに使われているロゴは、1980年頃からデザインが変更された。それまでは「CHAMPION」が小さい文字で斜めになっていたが、変更後は「CHAMPION」と「RACER」の文字が同じサイズで一列に並んでいる。

左側が1979年にリリースされた当時のロゴ。右側が1980年頃から変更されたロゴ。

箱のフタの部分を並べて比較。変更後は文字のフォントが細くなったものの、「CHAMPION」が遠くからでも読みやすくなった。

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