スーパーマイクロ

Super Micro
基本解説
カートリッジ
  • 【開発元】
    パームテックス(米国)
    Palmtex
  • 【発売元】
    ホームコンピュータソフトウェア
    Home Computer Software
  • 【発売日】
    1984年
  • 【価格】
    39.95ドル
  • 【カートリッジ】
    3種類

 販売台数の少なさを裏付けるように、希少なハードとして語られることが多いゲーム機。本体の裏側には「(c)1983」の刻印があるものの、実際に販売が開始されたのは1984年と言われている。

 カートリッジ交換式携帯ゲーム機としては、最初期にカラー表示の画面を実現した機種のひとつ。ただし、表示システムはかなり特殊で、すべてのグラフィックパターンをカラーで描いたオーバーレイがカートリッジの中央部に設置されている。そのオーバーレイを黒いドットで覆い隠し、ゲームの挙動に合わせて特定の箇所のドットを消すことで、オーバーレイのグラフィックの一部が覗き見えるようにする、というのが基本的な表示の仕組み。『ゲーム&ウオッチ』は必要なグラフィックパターンだけを表示するのに対して、『スーパーマイクロ』は必要なグラフィックパターン以外を覆い隠すという手法でゲーム画面を構成しているのだ。

 オーバーレイのグラフィックを明るく見えるようにするために、本体を背後から照らすライトパック(19.95ドル)という周辺機器も用意された。本体とライトパック、それにカートリッジひとつがセットになったデラックスパックは59.95ドルで発売。『スーパーマイクロ』用のカートリッジは全3種類だが、デラックスパックもそれぞれのカートリッジを同梱した3種類が存在する(※上の写真は『アラジンズ アドベンチャーズ』がセットになったデラックスパックのもの)。

『ゲームボーイアドバンスSP』の約20年前に、折りたたみ式のアイデアを採用。

8方向入力の正方形ボタンが左右にふたつ用意されている。中央部の「R」はリセット、「M」はサウンドのミュート、「P」はポーズで、「A」「B」「C」はプレイに使うボタン。「A」の左側の白いボタンは電源のON・OFFだ。

本体を閉じた状態。透明のスクリーンの左右に、カートリッジの接続端子がある。

カートリッジをセットした状態。オーバーレイを保護するために、カートリッジの外側には細かな溝の入った透明のプラスチックカバーが付いている。

カートリッジの上にライトパックをセットした状態。本体からライトパックまで、ピラミッドのような三段重ねだ。

ライトパック(LightPak)は、小型電球(ムギ球)が6個組み込まれており、単三電池2本を使って画面を背後から明るく照らす。

『スーパーマイクロ』の本体は単三電池4本で稼働するが、電池ボックスのフタには注意が必要。電池を入れた状態でフタを閉じてしまうと、フタを開けるときに何らかの破損が生じるらしい(怖くて試せない)。

『アラジンズ アドベンチャーズ』がセットになったデラックスパック。セットになっているカートリッジの種類によって、デラックスパックのパッケージデザインは異なる。なお、カートリッジのパッケージは付属していない。

【CGWM TRIVIA】
最初は『PVS』という名前だった

 開発元のパームテックス社は当初、この機種を『PVS』という名前で発売しようとしていた。『PVS』は、『パームテックス・ビデオゲーム・システム』または『ポータブル・ビデオゲーム・システム』の頭文字を取ったものだと言われている(諸説あり)。しかし、スムーズに販売ラインに乗せることはできず、最終的にはホームコンピュータソフトウェア社のブランドで『スーパーマイクロ』に改名して商品化された。この展開が急だったことは、パッケージの表記が「スーパーマイクロ」で統一されているのに対して、カートリッジの説明書に「PVS」という古い機種名が残っている点からも伺える。

パッケージに掲載されているのは、TMマークが付いた「Super Micro」のロゴ。

すべてのカートリッジの説明書に「PVS」という古い機種名が記載されている。「Super Micro」という名称は、カートリッジの説明書には出てこない。

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