ザ・ゲームマシーン
The Game Machine
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Waddingtons House of Games 小型のコンピュータのようなフォルムをしているが、中身は卓上型電卓にゲーム機能を付加したもの。20個のボタンのうち19個を使って計算ができるのに加えて、画面と操作パネルにオーバーレイを設置して4種類のゲームが遊べる。似たコンセプトの機種としては1977年発売の『マセマジシャン』が挙げられるが、『ザ・ゲームマシーン』が異彩を放っているのは電卓の表示部の特殊な使用法だ。
それまでのゲーム電卓は、ブラックジャックがプレイ可能な『BC-1010BJ』や6種類の数字ゲームを収録した『マセマジシャン』のように、画面に表示されるのは基本的に英数字や記号で、その表示をもとに思考型のゲームが遊べるようになっていた。それに対して『ザ・ゲームマシーン』は、デジタル数字の構成パーツ(たとえば「8」の上側の横棒や上半分の四角など)を単体で高速に動かし、射的ゲームやレーシングゲームを実現している。把握しているかぎりでは、電卓の表示部でアクションタイプのゲームを成立させたのは、この機種が世界で初めて。ゲーム電卓の代名詞と言える『MG-880』(カシオ/1980年発売)よりも前に、『ザ・ゲームマシーン』が電卓に反射神経重視型のゲームを組み込んでいたのは注目すべき点だろう。
なお、『ザ・ゲームマシーン』の後継機として、オーバーレイを廃止して収録ゲームを増やした『ゲームマシーン2』や、その小型バージョン『ミニ・ゲームマシーン』などが登場している(「関連商品」のページを参照)。また、日本においては、1980年にチェリコから『ザ・ゲームマシーン』の日本版が発売された。『The Game Machine』のカタカナ表記を『ザ・ゲームマシン』ではなく『ザ・ゲームマシーン』としたのは、この日本版の表記に準じている。

大きな画面のように見えるが、実際の表示部は数字12個分のエリアに限定される。電卓機能では、最大7ケタまでの表示に対応。
全20個のボタンの上側には、電卓使用時の数字や記号などが書かれている。「MS」「MR」のボタンでメモリー機能も利用可能。


ボタンの下側にある表記は、4種類のゲームの操作に関するもの。たとえば「CYCLIC」「ZIGZAG」「RANDOM」のボタンは「シューティング・ギャラリー」で標的の動きを指定するために使う。

操作パネルに「シューティング・ギャラリー」用のオーバーレイを載せると、「CYCLIC」などの表記とボタンの対応がわかりやすくなる。逆に言うと、操作パネル上の表記を理解していれば、オーバーレイなしでもゲームは遊べる。
ゲームごとに操作パネル用と画面用のオーバーレイが用意されている。この写真は、操作パネル用のオーバーレイ全4種。


画面用のオーバーレイは、表示部周辺を装飾するのが役割。言うなれば雰囲気作りのアイテムだ。
それぞれのゲームのスコアシートも付属。「ブラックジャック」では、ベットした額をスコアシートに記入して遊ぶ。

『ザ・ゲームマシーン』に収録されている4種類のゲームは以下のとおり。いずれもシンプルな内容だが、(1)の「シューティング・ギャラリー」と(4)の「グランプリ」はゲーム電卓史上初と思われる反射神経重視のゲームだ。

(1) シューティング・ギャラリー
Shooting Gellery
最初に標的の動きをサイクリック(グルグル)、ジクザグ、ランダムから選ぶ。標的は指定した動きで画面内の20ヵ所を移動していくので、標的がいるときに同じ位置のボタンを押せば射撃成功。30発のうち何発命中したかを競う。

標的である小さな四角が20ヵ所を動き回り、その20ヵ所の位置は操作パネルのボタンの配置と対応している。右端の数字は、これまでに命中した回数を示す。
(2) ブラックジャック
Black Jack
賭け金のベットはできず、純粋にブラックジャックを遊ぶモード。『BC-1010BJ』などでは絵札は「F」で示されていたが、「J」「Q」「K」が個別に表示される。インシュランスなどの特殊ルールには対応していない。

左側がコンピュータ、右側がプレイヤーのカードの数字。右から2番目の記号は「K(キング)」を表す。左端にある三本線は、コンピュータのカードの1枚が伏せられているという意味。


(3) コードハンター
Code Hunter
1111~8888の範囲でコンピュータが設定した4ケタの数字を当てる。入力した数字のうち何個が正しいか(位置も合っているか)が表示されるほか、過去に入力した数字を確認することも可能。

左から4ケタ(1356)がプレイヤーの入力した数字で、その右に続く「2」は位置が正しい数字の個数、「1」は正解に含まれるが位置が正しくない数字の個数。右端の「4」は現在が何回目の回答なのかを示す。
(4) グランプリ
Grand Prix
3車線のコースを他車が走行しているので、アクセルとブレーキを使いながらコースチェンジして他車をかわしていく。スタートから2分でゲームは終了し、走行距離に応じたスコアが表示される。

他車を示す横棒が画面右から左へと高速で移動しており、中央下部にあるドットがプレイヤーの車。ドットのときはまだピットにいる状態だが、上移動のボタンを押した瞬間から横棒の表示に変わり、他車と激突するようになる。

『ザ・ゲームマシーン』の発売元は米国のワディントンズ・ハウス・オブ・ゲームズ社だが、実際にはメイド・イン・香港の商品を輸入販売したもの。小型のコンピュータのようなその形状は、後継機である『ゲームマシーン2』に加えて、香港製の複数の電子学習機(下記参照)にも継承されている。なお、これらの電子学習機は、7文字のアルファベットが表示できるように改良され、操作パネルのボタンが20個から30個に増設された。

コンピュートロン
Computron
(シアーズ社/1980年)
英単語のスペル練習や計算問題、音楽演奏といった10種類の学習要素を収録。製造したのは香港のヴイテック社。
レッスンワン
Lesson One
(ヴイテック社/1981年)
シアーズ社に供給していた『コンピュートロン』と同じ性能の機種をヴイテック社がみずから発売。ボディカラーが変更されている。

『ザ・ゲームマシーン』のパッケージには、以下のようにオーバーレイの種類が異なるものが存在する。どちらのパッケージでも、中身は同じだ。

本体に「ブラックジャック」のオーバーレイがセットされたパッケージ。
本体に「グランプリ」のオーバーレイがセットされたパッケージ。
