オートレースゲーム

Auto Race Game
基本解説
  • 【発売元】
    バンダイ
    Bandai
  • 【発売日】
    1977年10月
  • 【価格】
    5,600円

 1977年4月1日、米国マテル社の日本法人であるマテルジャパンとバンダイとの間で、商品の販売や開発に関する業務提携が成立した。それを受けてバンダイは、マテルが米国でリリースして人気を集め始めていた電子ゲーム機に目を向け、同じ年の10月末に2種類の商品の輸入販売を開始する。このときの2機種が、日本国内で最初に発売された電子ゲーム機だと思われる。

 2機種のうちのひとつ『オートレースゲーム』は、米国で1976年にリリースされた世界初の携帯型電子ゲーム機『オートレース』の輸入バージョン。本体とパッケージは米国版を流用し、パッケージに『オートレースゲーム』の紙帯を付けたうえで日本語版の取扱説明書を付属させている。

 しかしながら当時の雑誌類で確認するかぎり、バンダイが輸入販売した2機種は1977年の時点であまり注目されていなかった。翌1978年が日本の電子ゲーム機にとって夜明けの年で、バンダイは「エルピット」と「LSIポータブルゲーム」という自社製品のふたつのシリーズを立ち上げ、国内の電子ゲーム機市場を牽引していくようになる。なお、その頃には『オートレースゲーム』にスポットが当たることはなくなっていたが、『オートレース』は1979年にマテルジャパンから「ゲームシンジケート」シリーズのひとつとして商品化され、日本での復活を果たすのだった。

パッケージに付いた紙帯の側面には、バンダイとマテルのロゴが並ぶ。両社の業務提携を象徴するようなデザインだ。

取扱説明書でも機種名は『オートレースゲーム』で統一されている。ゲーム機であることをわかりやすくするために、末尾に「ゲーム」を加えたのだろう。

取扱説明書はバンダイ版(左)と米国版(右)でサイズが大きく違う。米国版のパッケージでは、取扱説明書がふたつに折りたたまれて収納されている。

1977年発売のバンダイ版『オートレースゲーム』(左)と、1979年発売のマテルジャパン版『オートレース』(右)。マテルジャパン版の「ゲームシンジケート」シリーズの帯はシールで、パッケージに貼り付けられている。

【CGWM TRIVIA】
輸入販売されたもうひとつの機種『ミサイルアタックゲーム』

 バンダイから『オートレースゲーム』と同時に発売された機種が『ミサイルアタックゲーム』(価格は同じ5,600円)。これは、マテルが米国で1977年にリリースした『ミサイルアタック』の輸入バージョンだ。『ミサイルアタック』は米国で短期間しか販売されず、すぐに『スペースアラート』という商品にリニューアルされてしまったエピソードを持つ機種。それが日本で輸入販売されたのは、バンダイとマテルジャパンの業務提携が結ばれたタイミングの妙と言えるかもしれない。なお、『ミサイルアタック』と『スペースアラート』については、別のページで解説する予定。

『ミサイルアタックゲーム』は、LEDを使ったスピーディなシューティングゲーム。コンピュータのミサイルを迎撃してシティを守るのが目的だ。

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