ユニソニック21
Unisonic 21基本解説 | 本体の種類 |
Unisonic Products
米国の家電製品の製造販売会社であるユニソニック・プロダクツ社が、前年の『カジノ7』に続いて2年連続でリリースしたゲーム電卓。『カジノ7』や東芝製『BC-1010BJ』と同じくブラックジャックが遊べるようになっており、インシュランスやスプリットなどの特殊ルールにも対応している。
『ユニソニック21』の本体には、このページに写真を載せた卓上タイプの“D-2型”をはじめ、複数のバリエーションが存在する(「本体の種類」のページを参照)。さらに、D-2型ひとつをとってもパッケージに縦長と横長のバージョンがあることから、製造は一度だけでなくリピート生産が行なわれたと推測される。以上を踏まえると、最初期のゲーム電卓の中で『ユニソニック21』は、それなりに堅調なセールスを記録していた可能性が高い。
また、スポーツコメンテーターでありラスベガスのブックメーカーでもあるジミー・ザ・グリークをイメージキャラクターとして起用しているのも特徴のひとつ。パッケージや本体には「Jimmy the Greek」のサインが施され、説明書には顔写真と本人による解説が掲載されている。このように著名人をフィーチャーした商品は、電子ゲーム機のジャンルにおいては『ユニソニック21』が世界初だと思われる。
ディスプレイの左端にプレイヤーの数字が、右端にディーラーの数字が表示される。『BC-1010BJ』とは左右逆の配置だ。
左から2列目最下段の「PLAY」ボタンは『BC-1010BJ』には用意されていなかったもの。1ゲームが終わるたびに、このボタンを押す必要がある。
電卓としての計算ができるのは最大8ケタまで。最大10ケタの計算が可能な『BC-1010BJ』と比べると2ケタ少ない。
使用しているLSIは、ロックウェル製のA4821EB。それゆえ、同じブラックジャックのゲーム電卓ではあるものの、NEC製のLSIを使用した『BC-1010BJ』とは細かな挙動が異なる。
ギャンブル界では有名なジミー・ザ・グリークをイメージキャラクターに起用。パッケージの右下にはサインが印刷され、取扱説明書には顔写真が掲載されている。
本体を保護するためのビニールカバーが付属。カバーの右下部分にも、ジミー・ザ・グリークのサインが入っている。
動作させるには単2電池3本、または別売りのACアダプタが必要となる。写真はユニソニック・ブランドの純正ACアダプタ。
パッケージに記された「Model D-2」というのが、その本体のモデルの名前。
本体のモデルごとに専用の取扱説明書が用意されている。P-1型、D-2型、D-3型のどの説明書なのかは、表紙の右下で判別可能。
『ユニソニック21』のパッケージや本体には「MADE IN TAIWAN」と記されているが、じつは日本のメーカーも少なからず製造に関与していた。それを証明するのが、内部基板に刻まれた「JAPAN」の文字と、昭和の日付が印字されたシール(下の写真を参照)。最初期のゲーム電卓は、東芝製の『BC-1010BJ』はもちろんのこと、『マセマジシャン』『ユニソニック21』のいずれにおいても、日本のメーカーが開発の鍵を握っていたようだ。
『ユニソニック21』D-2型の中身。2枚の基板がハンダで接続されている。
手前側の基板の左上隅には「GICO JAPAN」の文字が。「GICO」は製造会社の名前だろうか?
基板の裏側に貼られたシールには「52.9.5」のスタンプが押されている。これは「昭和52年(1977年)9月5日」の日付を示していると考えて間違いないだろう。